目がゴロゴロし始め、ものもらいかと思っていたがだんだんと腫れてきた。痛いわけではないが、腫れているので熱っぽく、次第に視界が邪魔されてくる。仕方なく職場近くの眼科へ行くと、「大きな病院へ行ってください」という。嫌なセリフだった。
「放っておくとどうなります?」
「こうなります」
見せられた写真のようには、なりたくなかった。
いろいろ検査をし、投薬治療という手もあったようだが、結果的に外科手術を選ばざるを得なかった。
「よく切る決心をしましたね」
入院手続きを済ませ、病室で看護士が開口一番そんなことを言う。
ん?
切らずに済むという選択肢はなかったはずだ。外科手術に到った経緯は説明が面倒なのでしないが、もちろん皮膚に刃を入れたくはなかった。
執刀医は完治を宣言した。だが一カ月、二か月経っても瞼の近くが攣れた感じが治らない。六年経った今も治らない。その医師が担当した脳外科としての治療は終わったということで、瞼のハナシは皮膚科のハナシだという。二度と手術はごめんだ。
だがベッドで横たわっていた時、術後の傷より困ったのは腰痛だった。
(痛かった~。そっちかよ)