平成12年12月12日、12号線と呼ばれていた大江戸線が全線開通した。その20周年を祝うポスターが都営線のあちこちの駅に貼られている。20周年記念はめでたい出来事だ。だがこの路線は地下深く掘られたため、軌道は他と同じでも車両が小さい。天井が低く圧迫感があり、車輪と線路の軋む音がひときわ大きく耳障りだ。
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| 周年記念と思えない地味な色 |
そんな、大きな節目を迎えた大江戸線には何の罪もないが、俺は嫌いだ。
通勤に使っていて、最も鬱が激しい頃だったからだ。線路が本当に間近に見え、白線をふとまたげば、全線開通後の最初の不幸になっていたかもしれない。苦しかった。本当に苦しかった。だが不思議なことになぜそんなにまで思いつめたのかが、わからない。病ゆえ、考えが及ばなかったのだろう。
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| レシート証拠つき |
当時昼間に会社を抜け出し本屋へ行った。もちろんそんなことは覚えていないのだが、事実本を購入している。色褪せたレシートには時間まで入っている。平成12年(2000年)12月7日(木)の午後3時5分。重たい気持ちだったのだろう。でもそこで「幸いにも」五木寛之サンの「大河の一滴」に出会ったのだった。ベストセラーだったから平積みになっていたのか、どのように手に取ったのかはまるで記憶にない。(線路が間近に見えた時に出会った本)
幻冬舎文庫の初版が平成11年3月25日、翌年3月20日に10版とあるのできっと嫌でも目に入ったのだろう。
ところで開通の周年を告知するポスターにしては何とも地味だ。大江戸線カラーである赤、えんじ、茶色、レンガ色のような、いずれにしてもクリアではないその色使いも当時のどん底と共鳴していて萎える。
大江戸線にはよく乗る。関係者には申し訳ないが、やはりいまだに好きになれない。


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