息子の大学受験が終わった。
これまでのことは言ってくれるな、という。
彼の進路は自分が思っていたものとは異なっていた。
地元の中学から、私立大学の附属高校を受験、進学した。そのまま大学へ行くものだと思い込んでいた。だが大学へは行かず、専門学校を選んだ。
これまで自分の歩んできた道が正しいとか、そうあるべきなのだ、などとは思わない。だからこそ、その専門分野へ行きたい理由を幾度となく訊ねた。彼は言葉を尽くしたのだろうが、自分にはその道を理解する力がなかった。その後頑なな意思が翻ることはなかった。
ひょっとすると自分はある時点から、彼が「自分の意思を貫こうとしていること」に嫉妬を覚え、理解しようとする脳の働きを止めてしまったのかもしれない。彼は我を通した。望み通りの専門学校へ行き、二年を経て就職した。
その仕事は彼のやりたい仕事だったはずだ。結果、半年で辞めることとなった。
「それみたことか」
と、親として言いたかった。
だが、その道を説かれた時、自分の既成概念---すなわちフツーに四大へ行き、どこぞの企業に就職する---を打破してくれたのだ、と思い込むようにしていた。自分が「変革」を遂げないといけないのだと思っていた。彼の意を翻すのは良くないことだと感じた。
こんな話に結論など出ないし、持とうとも思わない。どちらも正しいと思え、どちらも間違っていると思えるからだ。
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| T字路は言い訳ができない・・・感じがする |
幸福な道を歩むか、病に倒れるか、倒れないまでも正気でいられるか、楽しく過ごせるか。悲しい日々を送るか、ぼーっと過ごすのか。希望した仕事に就けるのか、就けたとしてやりがいを感じながら続けられるのか。
自分は今、いい感じか?
ああ、いい感じさ。
彼は夜の散歩に出ている。
強い夜風も今日は心地よかろう。


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