2020年7月30日木曜日

海が青い本当の理由

海は何色(74日)を書いたのち、25日の夕刊に「どうして海は青いの?」と言う記事を見つけた。海の色が決まる四つの条件が明快に記してある。

水には光を吸収(きゅうしゅう)する性質があり、海面からさしこんだ太陽の光は、青い光が一番深くまで届く。
     海の中を漂う物の影響。植物プランクトンや動物プランクトンという目に見えないくらい小さな生物のほか、魚などの生物の死がいなどが光を反射や吸収して色が変わる。
     海底の色。水深があまり深くない場所では太陽の光は海底まで届いて反射する。だから、海底が何色なのかによっても、見え方は変わる。
     青い空が海面に反射すること。水面にうつる空の色も、海の色の見え方を変えている。
725日 日本経済新聞夕刊 「どうして海は青いの?」親子スクールより 


こうはいかない

高校生の時に毎日見ていた相模湾の色も、この四つの条件で日々異なる表情を見せていたに違いないが、招かれざるプラごみやタンカー座礁によるオイル流失など「不自然」な要素が全世界の海に流れ込んでいる。日焼け止めの油分、水分なども自然とは言い難い人間の皮膚を守るという働きと、どう斟酌するか。

海で思い出すのは、人のヨットに定員オーバーで乗り込んだら浸水し、助けが来るまで三名、深い沖で浮きにつかまりながら待っていた時のことだ。泳ぎには自信があったがとにかく水が冷たい。真夏なのだがひざ下くらいからの海水が異様に冷たく、あやうくつりそうになった。泳げる人でもこうして力尽き、命を落とすのだろうとその時真剣に思った。

もうひとつは、ウインドサーフィンを教えてもらい、バンバン進めるようになって沖まで行ったのは良かったが、ターンの仕方を教わる前だったので岸に戻れなくなった。困り果て、仕方なくセールを倒して引っ張りながら横泳ぎで戻った。これも体力の限界に近いパワーを必要とする泳ぎだった。
三十年前の湘南とはいえ、沖は実に澄んでいたのを覚えている。

清い川の水も、濁った流れも等しく受け入れる海は、いつまで「青く」いられるのだろう。

2020年7月29日水曜日

三和大神の憂鬱


「三和ゴッド」とそのドキュメンタリーでは呼んでいた。

中国大陸の南端、広東省深圳市で日雇い労働を繰り返す人たちをそう呼ぶという。香港駐在時代に初めて行った深圳は九龍駅から一時間足らず。香港から行けば突如「中国」に入境するのだが、中国大陸を北京から南下していけば、明らかな「発展都市」だ。1991年頃にはマクドナルド一号店ができていたはずだ。(深圳なのに会計は香港ドルのレジのほうが多かった)

深圳は香港からすぐ

日雇いというと日本では中高年のイメージだが、ゴッドたちは若い。20代、30代。1日働いて稼いだ金で3日暮らす。食事も屋台で最小限で済ませ、ネットゲームなどに興じている。田舎から出稼ぎにやってきて一旦職には就くものの、仕事がきつかったり、なじめなかったりと理由は様々だ。
経済成長著しい都市におけるひずみと言ってしまえばそれまでだが、希望の持てない彼らに、「ちゃんと働けよ」などと言うつもりはない。

もし自分が中国農村部に生まれ、職もなければ、やはり大都市へ行っただろう。成功して金持ちとはいわないまでも、工人になれたかもしれない。だがゴッドになっていたかもしれない。それは本人の気力の問題か、教育問題か、都市・農村戸籍問題か、まだまだ経営者の思想の問題なのか。もう一日、そしてさらに一日働けば食事ももう少し食べたいものが食べられるだろうに。

その立場にいない人は彼らを不憫に思うかもしれない一方、存外本人たちは気にしていないかもしれない。向上心とか、勤勉とか、もっと明日を考えるとか、もっと稼いでいい暮らしをしようとか、「そんなこと」はどうでもいい、今が自分の生活だと思えれば爆発的な不満にはならないともいえる。

だがやはり自分の経験と価値観から見れば、不健康に見える。ゴッドたちの心中まで読みこむことはできない。

2020年7月25日土曜日

奨学金返還完了通知


高校、大学に通っている間、日本育英会(現日本学生支援機構)から奨学金を得ていた。実にありがたい無利子のものだった。それぞれ月7000円と27000円だったと記憶している。家で整理をしていたら、返還の最終振込用紙が出てきた。「最終分1999/6」と書いてあった。大学で借りていた分だと思う。

最後の振込用紙

借りた金は返すのが当たり前なのだが、就職後12年かけて1296000円を返したようだ。社会人スタートは借金返済から始まったわけだ。会社に入って先輩と毎日のように飲みに行っていたので金は残らず若い時は貯金ゼロ。1990年に研修生として北京へ行った時にもらった給料でやっと貯金ができ始めた。中国の当時の物価は安かったし、そもそも使い道がなかった。

ホッとした奨学金返還完了通知

最終分を払い終え、しばらく経ってから来たのが「奨学金返還完了通知」だった。年に10数万、月にすれば1万円を返す見当だが若い時の1万円は重い。カイシャ員となったことで月給にありつけたのは幸いだ。いろいろな要因で返せない者も多いと聞く。無利子で、しかも遅滞なく返還していれば、借りた総額から返済額を若干減額してもらえたという好条件だった。

完了通知を見てものすごく安堵したことを覚えている。

2020年7月24日金曜日

興奮する宅急便追跡アプリ


通販で物を買うことはほとんどない。宅急便で荷物を送ることも年に三回もない。幸い近所に一通りの買い物ができるところもあるし、小さな子供の育児中で外出もままならないというわけでもない。難しいモノを買うわけでもないし急いでいればむしろ買いに行く。

ちょっとカッコつけ過ぎかもしれないが、自分で買いに行けるモノを運んでもらうことがドライバーの労働環境を圧迫し、トラック排気が増えることにつながる気がしている。そもそも自身が買うものは見て買いたいという根本的な欲求もある(古い人間なのだ)。運ぶ荷物の多さゆえドライバーがストレスのため、荷物を放り投げていた映像は記憶に新しい。

だがしかし。
修理を依頼したパソコンが名古屋から東京に戻ってくる状況を、追跡アプリが知らせてくれる。その時々刻々の「生中継」にはちょっとした感動を覚えた。そのパソコンを早く手元に欲しいという心理を安心させてくれるからだ。

時々刻々と中継される

名古屋のパソコン修理の会社から、「明日、発送します。伝票番号は・・・」というメッセージがまず届いた。そしてそこに記されていた翌日伝票番号を入力すると出荷日が示され、予定通り集荷されたことがわかる。名古屋から自宅までの経路は

修理会社→港営業所→中京中継センター→関東中継センター→●●営業所(最寄り)

となっている。それぞれの場所についた時刻も表示されている。集荷された日の午後710分に中京に、翌日午前551分に関東の中継センターとある。

果たして中継点到着の詳細な時刻情報まで必要なのだろうか。そう思いつつも、「待っている荷物」だからということもあり、その細かな「実況中継」に感激し、ワクワクしながらも安心して待てる。雨降ってるけど気を付けて来てくださいね、と言う気持ちにさえなる。

例えば自分が荷物を送るとき「明後日までに届いてくれればそれでいい」くらいに、今でも思っている。だがいつからか、着荷日付はもちろん、午前午後、そして時間帯まで指定できるようになった。それでも再配達は多く、ドライバーの負担は増えていた。
このアプリというか、荷物の経路を把握する物流のすごさは誤配送を減らし、何かあった際には記録として追跡できる。デジタルの進化が荷物を託す者と扱う会社双方を便利にした事例だ。

ちなみに通販会社へ登録した私の住所欄には、「基本宅配ポスト」と記して以降、再配達はゼロとなっている。

2020年7月23日木曜日

五年前の「新常態」


以下の記事は、コロナ禍で在宅勤務が半ば強制的にスタートしたのち、「もうこれまでのような働き方に戻ることはない」と高らかに宣言する経営者たちの声を記したものだ。

 
こういうわけにはいかない
202076日時事通信
コロナ禍を踏まえ、富士通は「感染抑止後も以前の形に戻ることはない」(時田隆仁社長)として、場所や時間にとらわれない働き方を実践。時田氏ら役員、管理職もテレワークが基本といい、最先端のデジタル技術を活用し、「新常態」の働き方やビジネス革新を支える事業をアピールする狙いもある。

この手の記事はまさに万とある。自分の所属する会社も同じだ。以前からテレワークを制度として持っていたところはここぞとばかりに「前からテレワークを推進しており、対象社員は増えたがスムーズに実施できている」と胸を張る。

形だけ制度はあったものの、実際には実施していなかったところも、「実施してみて業務上何ら障害はないことが分かった」と強がりを言う。

本気でテレワーク、すなわちどこで働いていても結果を出し、これを評価するというやり方は、日本の大企業や古い会社にはまだなじんでいない。終身雇用、年功序列、残業という概念があったらもう無理だ。

目指すべきは「ジョブ型」と呼ぶ。
722日 日本経済新聞 導入相次ぐ「ジョブ型」雇用、成功の条件とは

職務内容を明快に記したジョブディスクリプション(職務記述書)に沿い、それに適任と判断した人材を起用、賃金は仕事の難易度や専門性に応じて決めるというものだ。時間評価ではなく、成果評価。欧米では当たり前とされている。だが、誰が適任と判断し、成果は本人も納得の評価がなされるのか。

良い意味で本当の変革の時期にあるのだ、と思いたい。これまで日本企業は、大学や学部にほとんど関係なく会社に入って「ゼネラリスト」を養成していた。三十年以上しみついた自分にはあと三年生き残れるかどうかという瀬戸際だ。

ほとんどの記事の論調は、コロナ前の働き方に戻ることはなく、戻ることは罪のようでさえある。経営者のパフォーマンスにも見えるし、みんなが言っているから、という日本特有の同調圧力のようでもある。

ちなみに「新常態」は、中国の経済政策運営の基本方針を表す表現として2015年頃から定着し、とっくに「新常態」化している。(もちろんコロナとは関係ない)

2015422日 キャノングローバル戦略研究所
中国の「新常態:ニューノーマル」の本質は何か 習近平政権が目指す2つのアブノーマルからの脱却

2020年7月18日土曜日

嫉妬するデジタルデバイス


4年間の201619日、10日、11日。
3日間を費やし、格安スマホを家族分購入した。番号を持っての大手からの乗り換え、書類の不備もあり有楽町まで3日間通った。だがそれまでのガラケーが月に3000円以上だったことを考えるとスマホで月1800円程度というのはまさに格安だった。子供たちは一足先にスマホだったが毎月8000円程度はしていた。これは論外だ。

2020715日。軽い風邪にでもかかったように、「微熱」を出したり、画面が暗くなったり、突然消えてみたりと、4年前の格安スマホがかまってもらいたいという信号を発していた。折しも給付金にはまだ手を付けていない。表面ガラスもだいぶ傷が目立つようになってきていた。機種変更の広告を見始めると、「微熱」から「高熱」を出すようになり、重症化の一途をたどった。
 
新しい携帯を探し始めると、旧機はすねた

楽天では諸条件はありながら、アンリミットというプランで2980円、しかも一年無料と攻めてきた。不安な電波についても23区内に住んでいればほぼ問題はなさそうだ。だがヘビーユーザーではない自分にとって目先の無料だけで決めてはならない。ここは考えどころだ。

これまでが安すぎたのだ。そう自分に言い聞かせ、近所のショップで実機を見てみることに。コロナ対策もあり、訪店には予約が必要だ。行ってみると客は誰もいない。予約制が奏功しているのか、純粋に客がいないのか。それはこちらが心配することではない。

さて早速話を聞いてみると、驚いたことに店員はイチオシのアンリミットを勧めてこない。それどころか、「回線が安定するまで(楽天が借り受けている)ドコモのほうがいいですよ」とまで言う。アンリミットに入る気満々で機種を二つにまで絞り込んで臨んだのに完全な肩透かしを食らった。
家に戻り、現在の格安のまま機種変更することにした。そこそこの機種に目星をつけ、3台購入。3日ほどでシム交換まで無事終了した。

寿命と割り切るにはまだ早い4年半を迎えた3台はすでに青息吐息。当然のことながら、新品と比べると何とも満身創痍だ。新しい携帯を検討し始めるとなぜ急激に機器の調子が悪くなるのかは不明なままだが、明らかに嫉妬する「感情」が働いているとしか思えない。


2020年7月13日月曜日

ギャンブルは健全か


JR錦糸町駅をIR錦糸町駅と書いた新聞の誤字を見つけた「密かな楽しみ」で思い出したのがホントのギャンブル。ところ変われば合法なだけに、同じことをしているのになぜ一方で逮捕されてしまうのか、釈然としないなどと言うのは言い訳を探しているに過ぎない。

とはいえ、香港駐在時代にマカオはあまりに身近だったこともあり、高速船でちょうど一時間の「合法地帯」はちょっとした息抜きになった。入れ込んで身を亡ぼすほど元手はないし、幸いにも「そこそこ」で撤退する分別は持っていた。そのため、トータルではもちろん負けているが、往復の船代と夕食代くらいは何とかなった。
 
マカオフェリーでカジノへGO

カジノと言えばラスベガスがダントツだと思っていた。だがマカオがその座を奪ったのは2006年。カジノ王スタンレー・ホーが独占経営していたが、2001年から外資開放もありそれまで停滞ムードだったマカオも息を吹き返した。カッコいいおじさんだったな。ホー氏。
AFPBBニュース マカオ、ラスベガスを抜いて世界最大のカジノに 200744

シンプルゆえに盛り上がる「大小」

カジノはどこも競うように「ギンギラギン」だ。残念ながらマカオ以外のカジノには行ったことはない。ドレスコードがしっかりしているところもあると聞く。だがマカオは緩すぎる。そこがいい。お兄さんもおばちゃんもTシャツにサンダルだ。初めて入った時には呆気にとられた。ジャケットを想像していた自分がアホらしい。

一番人気は派手なバカラや赤黒ルーレットではなく、大小と呼ばれるサイコロゲームだ。3つの賽の目の合計が10以下なら「小」、11以上なら「大」と言う極めてシンプルなもの。もちろん盤目の通り、賭け方にはバリエーションがある。例えば10が出ればそこにランプが灯る。瞬時に歓声が沸き、嘆息が漏れる。

これが、地元おばちゃんの格好の小遣い稼ぎゲームになっていて、台の周りにびっしりと張り付いている。おばちゃんの間から手を伸ばしてカジノチップを置くのには苦労した。ディーラー(大小もディーラーと呼ぶのだろうか)の素早いさばきが心地よいが、当たった時は暗算で概算を把握しないと、騙されないかと不安になる。

本来ディーラーに対するチップは、満額払い戻された後で「心付け」を出すが、マカオの「おばちゃん大小」を仕切るディーラーはチップを勝手に差し引いて戻してくる。このあたりは「マカオルール」なのだろう。こっちは出てきたチップを受け取るのが精いっぱいだが、慣れた中国人はいちいち大声でけんかしている。
バカラとスロットと「大小」と・・・。少なくとも大小は健全と言えそうだ。

順調に船代を稼いでいると、ときどき「嵐」(ぞろ目の親総取り)が待っている。用心用心。

1丁目のバーガーキング

前回ハンバーガーを食べたのは、 2019 年 2 月、サンディエゴの Burger Lounge だ。滅多に食べないこと、そして滅多に行かないアメリカで食べたのでよく覚えている。彼の地に住む中学時代の同級生が連れていってくれた。アメリカーンな美味しいものだった。 最寄り駅にバーガ...