書籍 本を読めなくなった人の読書論 若松英輔、亜紀書房
「図書館で本を借りるのは、ちょうど花屋さんで切り花を買ってくるようなものです。それらは、自分の家に根を張ることはないのですが、ある期間、彩のある生活を私たちに提供してくれます」
著者のことを考え、本は買えといっているのか。もし自分が書いた本であれば図書館なんかで借りずに買って読んでくれと訴える。当たり前のことだ。
もう少し読み進めると、
「読書感覚を取り戻す最初の段階で、最も便利な、そして有効な場所が図書館なのです。私たちはそこにある本のほとんどを無料で借りることができます。自分に合うかどうかわからない本でも、安心して手にすることができます」
本を書く人が、無料で借りられる図書館を進めている。
退職して時間ができたら物書きになれるかも、などと甘い考えを持った者にはイタイ。一冊も書いたことのない者が何を言うか、という一撃を食らう。
なぜこの本を借りてきたかはすでに忘れたが、行間も広くコンパクトで文字数が少ない本なのになぜか読みにくかった。ひねくれ者なのか。
誰しも、読書家、作家から「この本が良い」と薦めてもらいたいと思うのだが、巻末で「本との出会いを妨げているものを取り除くための視点」が記されている。
①
永く読まれている本(刊行後、十年以上経過していること)
②
厚くない本、薄い本
③
手ごろな値段の本
いずれも、読めなくなった人へのアドバイスだ。読みすぎて読めなくなった人へのアドバイスだ。読書の絶対量が全く足りず、とりあえず何でも読むべき自分にとっては、司書に臆することなく尋ねてみようと思う。
さて、何とリクエストしてみようか。
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